7月14日早朝、山羊座の満月を迎えます。
夜明け前、西の空を見ると美しい月を見ることができます。
しかも、今月は近地点で満月を迎えるため、いつもより大きく見えるスーパームーン。
今日の夜は、月の観測にぴったりですよ。
夕方ビーチウォークで月光浴をしてきました。
今回の満月、牡牛座にある天王星と魚座にある海王星がサポートしてくれる配置に。
なので、ちょっと趣向を変えて、和歌の中に出てくる月について書いてみようかなと思います。
※内容がマニアックなので、好きな人がいるといいのだけれど。。。
古の日本人は、和歌を読む時に星よりも月を読むことが多かったです。
和歌は三十一文字(五七五七七)で構成されているので、多くのことを記載できません。
でも、文脈から月の形を想像することができます。
今回のような夜明け前の満月が印象的に読まれているのが、教科書にも載っている柿本人麻呂の和歌です。
東の野にかぎろひの立つ見えて かえりみすれば 月かたぶきぬ
中学の国語の教科書にも出てくるので、聞いたことがあるなという人も多いかな。
実はこの歌、万葉集に収められている長歌に続く4つの短歌のなかの1つになります。
軽皇子(後の文武天皇)が、安騎の野に狩に行った時に作られたこの歌には、月の配置がキーポイントになっています。
和歌の意味は、東の空に曙の光がさしてきて、振り返ってみると西の空に月がかたむいている となります。
つまり、太陽と月が真反対側にあるので、満月の時になるのです。
当時まだ天皇でなかった軽皇子の姿と雄大な自然、そして満月を読むことによって次期天皇としての候補と多くの人に印象を与えたのではないでしょうか。
この狩りの目的は、軽皇子の父である草壁皇子(母:持統天皇、父:天武天皇)に想いを馳せること。
かつて、人麻呂は草壁皇子と同じ地に狩りにきたことがあり、その時にも夜明け前、西の空に大きな満月が出ていました。
父と同じシチュエーションに息子を置くことで、天皇の後継者に相応しいと印象付けることができたのかもしれませんね。
このように、古の人にとって、月相はある特定の場面を思い出させたり、故人を忍んだりするときに用いられます。
皆さんの好きな和歌の中に月は出てくるでしょうか?
月が美しい夜には、お酒を飲みながら文学を語りたくなってしまうのでした。
参考文献
集英社 万葉集釈注1 伊藤博
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